前田さんの奥さんの口から「分」と言う言葉が出たのは以外だった。もう殆ど死語ではないだろうか?
私の母は「本当に、あの人は分を知らないよ。」とか「分をわきまえない。」と,よく使っていた。
「分」すなわち「身の程、分際」の意味だから、今の世では廃れていくのもしょうがない。
昔の時代劇には「おのれ、町人の分際で猪口才な!分を知らぬか!」と悪代官がよく使ったものだ。
Riableの店主のジミーは韓国の天然記念物である珍島犬を亡くなる直前に手に入れ大喜びしていた。
娘の話しによると頭が空でどうしょうもないため犬の学校に通わせると仕事から戻ったスヨンが聞かせる。一歳にもなれば躾けも大変だろう。
「家のチビは、そんな学校に行ったら全部の教科でトップになってスカラシップものよ。」と自慢してきたと笑わせる。
昨日、荷物を詰め始めたギョンウォンの側にまといつき、彼女がシャワーに入っている間中、ドアの外でジーッと待つ姿を見て皆で顔を見合わせた。彼女も「ちびヤー、ちびヤー」と抱き上げて涙ぐんでいた。私が出かけている間、自分を見上げるチビの目に涙が浮かんでいたと真剣な顔つきで話していたが、これはいくらなんでも信じることは出来ない。
この話もお店で娘だけでなく他の皆に聞かせてあげたと言うスヨン、初めはチビが寄ってくるたび椅子の上に飛び上がっていたものだ。
いまだに上の孫が日本見聞の話しを10歳の弟に夢物語のようにしているようだ。
「僕がね、日本の自動販売機やデパートの地下売り場の話をする度に”行きたい、行きたい!”って言うんだよ。」
「だから日本語を覚えようとしているの。大分日本語を理解するようになったよ。」
私が「たとえば?」と訊いた。
「”夕飯は何を食べたい?”って訊いたら、英語だけどちゃんと返事が出来るんだよ。」
私は「それは食い意地が張っているからでしょう?」と言った。
「そうかもね。そうだよ、きっと。」と13歳の孫の返事。
朝晩の寒さ少し和らぐ 快晴
見事な枝振りのヒイラギの木