日本のお菓子で揺らぐ愛国心   2/2/08   

 韓国の次期大統領、李明博氏が「日本の天皇陛下御夫妻が訪韓されるなら歓迎をしたい。」と日本の新聞三社とのインタビューで発言していた。
また「過去の出来事は歴史家達にまかせ我々政治家は未来について話し合わないといけない。」とも現大統領の言動を真っ向から否定する意見を述べている。
 これは私達日本人の想像を超えた勇気ある衝撃的発言。ちなみに国民の意見を知りたく、2社の日本語版韓国新聞を見るが何も触れていないのは興味ある。
 ちなみに、この歓迎の件をスヨンに話すと予想した通り不満げな顔をして何も言わず私の部屋を出て行った。歴史の先生で朝鮮王朝の歴代王の名前をも一人として間違いなく言えるくらいの彼女だし、反日教育を受けた年代だから無理もない。日本を知らない一般の韓国人も同じ思いだろう。

 お湯を注ぐだけのお餅入り”お汁粉”を食べながら、スヨンは「こんな美味しいものを一人で食べては韓国にいる家族に申し訳ない。」と感動で何度も繰り返す。
「日本の老舗の店で食べてみたい。いつか一緒に日本に行きたい。」と言った!
韓国では学問に携わる人が偉く商人は最下級と見なされ、代々家業を継ぐと言う習慣がない。私が日本の美味しいお菓子を一緒に食べる度に中に入っているパンフレットを読んであげるのでスヨンは老舗に夢を持ったようだ。
日本の冷凍しか知らない彼女は、藤井先生からの薩摩揚げに感動してお店の同僚に「山葵醤油で食べるのよ。」と自慢げに話していた。
 「韓国のは美味しくない。」と、ダンボールの菓子箱に日本のカルビーを入れている彼女を見て「スヨンの頑固な愛国心もお菓子で揺らぎつつある。」と可笑しくなった。
 お店で知り合う日本人達を通しても彼女の日本人感は違ってきている。

 宝塚の義兄は退職後、市道の道路沿いに何キロにも渡って紫陽花や冬に黄色い花を咲かせるツワブキを植え続けている。大人だけでなく学童の間でもチョットした有名人らしく学校の往復に挨拶をしてくれる。そのたびに兄は手を休め子供たちに飴をあげ話している。
 その学童達にあげるバレンタインの可愛いキャンディーの袋が沢山入った小包を受け取った義兄から喜びの電話が入る。姉とも「餃子の毒、日本人の仕業ではないことを祈るわね~。」と切実に願った。

   春を感じる風がそよぐ
by arata-tamiko | 2008-02-03 23:39


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