疑心暗鬼   9/21/07

  私の車に乗ってから、Kさんはバン購入希望だが中古車でも予算を超えてしまう。それでも今日予算少々オーバーながら品質的に満足するものが手に入った。タイヤも全部交換してくれるそうで良かった。一緒にBelmontの中華で昼食をする。
 読みたい!と思っていた9月号の文芸春秋を一ヶ月前に来た友人が偶然に持ってきてくれた。立花隆による「日共の宮本顕治の闇」は期待通り読み応えがあった。単純な私は昔から共産主義と言うものが、どうしても理解できなかった。猿の世界でもボスがいて階級制度がある。強きは餌をたらふく食べ,弱きはいつも空きっ腹。それからして人間の世界で平等などありえる筈がない。競争なくして発展はないと思う。
ブルジョアや資本主義打倒がスローガンのはずなのに、彼は貴族趣味でブランド大好き人間だったそう。中でも圧巻は33年に同士の二人を特高警察のスパイと疑い、凄惨なリンチで息の根を止めるくだり。袴田が足を押さえ柔道の心得がある宮本が組み敷いて膝で背中を圧迫すると、小畑は凄まじい断末魔の悲鳴をあげ息絶えた。
遺体を引き取りに行った弟が家に送った手紙に「顔の半分は濃硫酸で焼かれ、一つの目は完全に潰され体だけでなく顔にも無数の切り傷。これ以上書けませぬ。余りにも残酷で、、、。」と綴られている。拷問を受けながら、この人は党員になったことを心中いかに思ったであろうか?
宮本がいくらでっち上げだと主張しても、小畑はスパイではなかったことは立花氏が前に立証しているし、戦後何十年経って党を追われた袴田が加担したリンチの凄惨さを週刊誌に発表。「昨日の同士」と名付けられた手記を読んだ時、ますます彼らの主義に疑問を抱いた。しかし宮本も党も一切認めず、凄まじい権力闘争を勝ち抜いてきた宮本は党員達から崇め奉られ2ヶ月前に98歳の人生を終わった。

   秋晴れの晴天 
by arata-tamiko | 2007-09-22 13:36


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