学校ツアーは一日2校を訪問し次の学校に近いホテルまで移動するが、殆どの学校が田舎の遠方なので、かなりのドライブとなる。
今回は25日の正午に出発をして3時間半かけてNY州に近いCT州のRoxburyに滞在している小島さん親子を迎えに行った。息子のキヨ君は12歳からの留学。休みの度に級友のコーディー家に泊まり家族の一員として溶け込んでいる。キヨちゃんの学校も、この家も鬱蒼と茂る森の中にあり自然に囲まれ素晴らしい環境だが、私には寂しすぎて住めない。「人間より牛や馬の数の方が多いのではないの?」と私はからかう。コーディーの家には5匹の犬が仲良く生活している。母親のキャティーの一日は彼らを散歩に連れて行くことから始まる。いつものコースで、枯れたとうもろこし畑の中を走る犬達と彼女。そこへ突然の銃の音と共に彼等の中でも一番大人しいジェシーが、彼女の目の前で、けたたましい鳴き声で倒れたそうだ。81歳になるハンターがコヨーテと見間違い散弾銃でジェシーを仕留めた。幸いに命は助かったが、彼の右目は摘出され、キャティー夫婦は「せめて光だけでも見えてくれたら。」と左目は残したと言う。81歳の老人に銃のライセンスを発行する町も町だが、少しでも手元が狂えば彼女が被害者になりえる事もあった。 眼球摘出直後の血を流しながらも、立ち上がって初めての 私を迎えるジェシー より一層の哀れを覚え胸が痛む 体中のいたる所、黒く焼け散弾銃の破片が入っている 一時間半かけて夕方Simsburyに到着。ホテルの食事で口に出来るものはステーキしかなく三人とも同じもの。大きなスケートリンクがあるため荒川静香や安藤美姫などが、このホテルを利用しているそうだ。持参したラップトップで「復活」を深夜一時過ぎまで観る。 Simsbury Inn 宿泊代は$130 26日のWestminsterのアポは10時15分。ロビーはインタビューを受ける子供連れの家族で賑わう。済州島でゴルフ場経営をしている韓国人夫婦と楽しい会話をして名刺を頂く。学校と話を終えた私達が帰る時は15歳の息子が一人で両親を待っていた。椅子から立ち上がって私達に挨拶する。今ではどれくらいの日本の子供たちが、このような礼儀を持っているだろうか。 校長室のインテリアの趣味の良さ 次のBerkshierのShiefieldに行く途中通ったNorfolk村の建物の見事さに車を止めて暫し見とれる。時間があれば図書館に寄って建物の歴史を調べたかった。 住む人もいない空き家の建物 過っては人の笑い声に満ちたであろう荒れはてた見事な木造建築 屋敷を囲む、この塀の長さからしても家の主の財が偲ばれる 小島さんに「音楽かけて良い?」と聞いてSG Wanna Beをかけたとたん「このグループ、私も一番気に入っているのよ!」と興奮。韓国ドラマなど全く観ない彼女が何でだろう?と聞くと、コロラドに留学をしている高校生の娘さんが韓国人の友人からCDをもらって聴かせてくれたそう。小島さんは未だ聴いていない彼等の曲に「鳥肌が立つ。」と感動。私の代わりに三人の友人が来月NHKホールのコンサートに行くと話すと「私も行きたい~。」。この旅の間中、二人でこのグループの歌声を聴いていた。 夕方、同じEDICMから留学をしているリョウ君を連れて”備前”で夕食。日本語が流暢なアメリカ人の店主のマイクは岡山に4年住み陶芸の勉強。自分で作った登り窯で焼かれた作品が所狭しと店内に飾られている。広いレストランの内装は日本より日本的。恥ずかしくなるような日本レストランの造りにしたくなかったと彼は言うが、全て彼とアメリカ人の大工さんとの苦心の作品。日本人として嬉しくお礼を言った。寿司職人で働くマイクはカウンターから頭を下げて私達を見送る。 40分ほどかけて山道を走りInterlaken Hotelに到着。ここは何度も泊まっている。何百とある部屋も冬ともなれば泊り客が2,3人のこともあるそうだ。いつ吹雪となるやも分らない当地のこと、冬のコンファレンスも全くなくなるそうだから経営も大変だろう。「復活」を深夜の2時半まで観る。宿泊費同じく$130. 27日のMilbrookのアポは9時15分。この学校は敷地内に1930年に開園した動物園がある。生物学のみでなく生命の大切さ、そして絶滅の危機に瀕している動物や鳥獣類を飼っていると説明を受けた。もちろん一般公開もしているとの事。 アートセンターのセンス良いギャラリーの入り口 ガイドをする生徒、小島さん、清ちゃん 次のGunneryのアポは2時。山道を一時間半かけて着く。 キャンパスの木立の中で見かけたハローウィーンの飾り 2時以上かかったPomfretは大変だった。道路標識が余りなく、しかも暗い山道。「鼻をつままれても分らないとはこの事ね。ヘッドライトの先に白い服を来た女性が立っていたらどうする?」と言うと、「止めて!」と小島さん。 やっとの思いで辿り着いたHoliday Innにはレストランがない。しかたなく又真っ暗闇の外に出てピザを夕食とする。ホテルに戻りながら「何て狭い道路だろう?でもどうして一段高いのかな~?」と不思議に思いながら走っていて”ハッ!”と気づくと同時に、小島さんも「歩道です。歩道よ。」と声を上げる。それほど暗い道路だった。 ラップトップで毎夜観ている「復活」のドラマの惹きつけられるメロディーは、きっと貴女を虜にするわよと話すと、彼女は「是非聴いてみたい。」と言う。そして私の部屋でドラマをつけて聴かせると彼女は主題曲だけでなくストリーの展開の面白さ、俳優達の演技の上手さに息を止めて見入る。一時近くに私の方が心配になり始め「明日も未だインタビューがあるから、もうソロソロ休んだ方が良いのでは。。。?」とストップをかけた。彼女は「私これ絶対に買うわ。」と私に言い聞かせるように言って部屋に戻った。彼女に取って初めて観る韓国ドラマだったそうだ。 最終回も終わりに近づくと、目的を達した主人公を待つものは、ただ悲劇的な死のみと予感を覚え、気が滅入る事を恐れて結末を観ずに床に入った。なかなか寝付けず、やっと眠りに落ちたと思うと、まどろむ夢で「復活」の終末が出てくる。浅い眠りとまどろみの繰り返し。頼んだモーニングコールの一時間前に起きて身づくろいをする。これほど、このドラマにのめり込んでしまった自分が恐ろしい。今まで観た中で最高の作品だと思える。 8時45分のアポだったPomfretのキャンパスツアは殴りつけるような大雨と風に見舞われた。 2時間少々かかって大雨の中、ボストンに到着。Belmontのヤム茶で昼食をする。 今日の天候を除いては晴天秋晴れに恵まれる
by arata-tamiko
| 2006-10-29 11:33
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