さなぎが蝶になる   4/5/06

 朝ミゾレ降る中、Brightonの萬代さんのアパートに行くと室内はダイニングテーブル、ソファ、そしてテレビは箱から取り出され台の上にあり既に完全な住まいの雰囲気となっていた。昨夜の9時過ぎに配達してくれたそうだ。お店の店主が絨毯を選んでくれただけあって、ソファーの色と上品に溶け合っている。
 こちらではカーテンはテナントの自己負担となるから、管理人に誰かカーテンレールを取り付けてくれる人を紹介してくれないか?と聞いた。壁がコンクリートで素人には少々無理な仕事。以前出入りをしていた工事人を紹介してくれただけでなく、ベランダに出る大きなガラス窓まで計ってくれた。このような管理人だと住んでいて何か問題が起こっても心配は全くない。ボストンの留学生活が楽しいものであるかどうかは住まいも多いに影響する。
 銀行に行くとロシア人のタチアナが相手をしてくれた。彼女も今では仕事に慣れ、私をイライラさせる鈍さも大分解消した。私がお願いする前に、顔なじみの銀行員が気を利かせて例のプロモーションの用紙をくれたので記載して萬代さんに$70の小切手のことを説明する。
 食料品を買い、Bed &Bathに行き全てのお世話が終わった3時近くに私の行きつけのオールストンのベトナム料理店に寄る。彼らは初めて口にするそうだが、美味しさに感動していた。

 アパートに送った後、Joann宅に行き岡本先生をSS オフィスにお連れする。ここは閉まる4時近くに来たほうが早く済む。これからなるべく遅くに来よう。あいも変わらず警察官が退屈そうに新聞広告を読んでいる。いつ行っても何もしていない警察官を不思議に思って「どうして事件も起こらないような場所に詰めているのですか?」と聞いた事がある。
オクラホマの爆破事件以来、政府関係の場所には警察官を常駐させる法律が出来たそうだが、これこそ税の無駄だと思う。時折眠気覚ましのためか、事務所の中から出てきて外の空気を吸っている。それでも一抹の後ろめたさのためか、出入りする人達のためにドアの開け閉めをしているが「アンタはドアマンではなく警察官なのだ!」と言いたくなる。
明日、銀行にお連れすることにした。

 中学校から留学をしているSちゃんがWellesleyにあるBabson大学に受かったので明日来ると知らせがある。この大学はビジネスで有名で全米でもトップ3に入るのではないだろうか。TOFELは最低でも600を要求され、日本の金融関係からも毎年送られてきている。しかも彼女はインターナショナルの生徒なのに4年間で10万ドルのスカラシップをもらえるそうだ。一人っ子なのに実にしっかり育てられ、私が彼女が寮生活を送る中学校に送って帰宅する間には彼女からのお礼のメールが私のコンピューターに必ず入っていた。そんな子供だった。
初めて会った時は痩せてヒョロリと背が高く、色の黒い女の子で、留学センターの粂原さんに「可哀想に。何でお母さんに似なかったのだろう・・・。」とまで言ってしまった。
それが今では東洋的な雰囲気の中に利発さが輝き不思議な魅力を秘めたスラリとした背丈の女の子になり「さなぎが蝶々になった!」とお母さんに言ってしまった。
この子の前には輝いた将来が待っている。

   夕方みぞれ止む 肌寒い
by arata-tamiko | 2006-04-06 11:54


<< 私が書かなかった理由   4/... 大好物の揚げ餅   4/4/06   >>