土曜日の朝だと言うのに9時前にドアベルが鳴り「何か?」と慌てて階下に下りると、顔馴染みの郵便屋さんが「ハ~イ!この天気信じられる?」と小包を差し出した。生暖かいと言っていいほどの外の空気を肌に感じながらサインをする。「誰かしら?」と差出人を見ると、「ISAKA」と書かれている。以前、車保険のお客様に、このお名前の方がいらっしゃったが、このようなものを受け取る理由はないので「他の知り合いで同じ名前がいたかしら?」と考えながら小包を開いた。包みの中には「お陰さまで小切手を現金に替えることが出来ました。」と丁寧な礼状が入っていた。それで思い出したが、去年の夏前かに帰国された後に確か小切手が現金化できず私のところに相談のメールがきた。そのお礼だった。その志に嬉しく思う反面、こんな重い羊羹を、しかも「ゆうパック」の高い送料をかけたなら、小切手を換金した分は、この品と郵送料で消えてしまったのではないだろうか・・・と心配になった。日本時間の朝10時にお礼の電話をした。
こちらの銀行口座を閉め残高を小切手で手にして、日本に帰国をした後、忙しさに追われ小切手を換金せずに期限が切れてしまった・・・とか、口座を日本からクローズしたいのだが銀行と話し合いが出来ない・・・と言ったような相談事が結構ある。 私は出来るだけお手伝いをしているが、せめて結果報告だけはして欲しいと時折思わされる。 ある先生は帰国後1年経って「現金化するのを忘れてしまったのですが・・・。」とメールがあった。額面は一万五千ドル、驚いてしまった。急いで彼の銀行に行って「日本の銀行で期限切れのために換金は不可能と言われたそうですが、再発行できますか?」とお願いをすると「彼にはBank Certifiedで渡したので2年間有効です。」と言われ彼に知らせる。 先生から「どうしても駄目だの一点張りなのです。何とかなりませんか?」と又メールがきた。それで又銀行に走り事情を話すと支店長名で「2年間有効です。」と言う内容の証明手紙を銀行のレターヘッドが付いた用紙を使い、親切に書いてくれた。彼に添付で送った後は、いっさい何の連絡がなかったが「どうなりましたか?」と聞くのも押し付けがましい・・・と思い、そのままになっていた。それから半年近くして、その銀行員とバッタリ会った時「ところで、彼はあの手紙で問題が解決したのかしら?」と聞かれた。 手紙と一緒に彼女の名刺とメールアドレスも一緒に添えていたのに、せめて一言の礼状は人として、いや日本人としても出して欲しかった。本当に恥かしい。 やはり帰国をした人で車のExcise Taxのことでメールをしてきた事がある。彼を仮にAさんとしよう。「何回か電話や手紙で、やり取りをしているが解決しない。」と書かれたメール内容であった。私は町の役場に行き、係りの人に「支払いたい。」と役場からAさんが受け取った手紙や請求書を見せると「何月に既に帰国をしているので、これは支払わないでも良い。」と言われ、それを日本にメールで伝えた。暫くしてから「また請求書が送られて来ました。」とメールがあり又役場に行くと、違う人が「これは支払いが滞納していますから利息と共に支払わないといけません。」と言われた。「そんな馬鹿な!」と言っていると先日の女性が入ってきたので「ねぇ~、あなたは私を覚えているでしょう?」で、やり取りが始ったが、その女性は言っていないの一点張り。何とも腹の虫が治まらず翌日また役場に出かけ上の人と話したが、アメリカの諺にある通りCity Hallには勝てなかった。後から考えれば始めに行った時に、その女性に一筆書いてもらえば良かったのだが、こんな事になるとは思いもしなかった。 ところが、Aさんから「あなたのせいで利息まで支払わないといけなくなった。アメリカの友人に聞きましたが、役場の人間がそんな事を言うはずがない・・・と言っています。と、なるとアナタは”嘘つき”と言う事になります。アナタは初めから役場には行っていないのです。今後あなたの嘘によって私達のような被害者が出ないように願います。」とメールがきたのには、もっとショックを受けてしまった。私は率直な物言いをする・・・とは言われるが、生まれてこの方”嘘つき”と言われたのは初めてだった。一回目に役場に出かけた後に自動車保険の代理店に寄り、役場での話をしていたので代理店のCathyも憤慨して「彼女は確かに役場に出かけ支払不要だと言われています。私が証人です。」とAさん宛てに手紙を書いてくれた。 私は、こうやってAさんに書いた。 「利息を$10支払わなくなった事に対しては誠にお気の毒に思います。彼女に一筆書いてももらわなかった事は私の過失です。お詫び致します。ですが私は役場に三度出かけています。私の時間給から、この$10を引いた金額の請求書を送らせて頂きますのでご住所をお知らせください。」 でも一晩経ってみると何か空しい思いがして出すのを止めた。この人は帰国前に車や生活用品の個人売買で関係のない私に相談の電話を朝に晩に何度かけてきた事か。それも携帯電話に。 それを忘れて人を嘘つき呼ばわりする人に、どんなに本当の事を繰り返しても嫌な思いと情けなさが残るだけだから。(でも、これを書いた事で気分がスーッとした。) でも今日の伊坂さんの様な方がいると、気分が高揚して、この仕事をしていて本当に良かった!と思う。 大人も子供も半袖で町を歩く
by arata-tamiko
| 2006-01-22 13:50
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