愛らしい僕と関西弁   12/14/14

「おばちゃ~ん」と大声で呼ぶ子供の声の方を見ると、店の入り口ドアにあの子が呆然とした顔で立っている。
「まだ帰国していなかったの?」とカウンター越しに両手を差し出すと「おばちゃ~ん。」と走って駆け寄り私の両手を握り締め暫く離さない。

「おばちゃん、もうおらんのかと思うたわ。」と言う小学校三年生の子に「私こそ、僕はもう日本に帰ったのかと思っていたのよ。」と数ヶ月ぶりの再会を喜び合う。
「今日もお父さんと一緒?お母さんは来なかったの?」と訊くと「お母さん、しんどんねん。」と言う。
今風で言う”こてこての関西弁”で話すこの子の「しんどんねん」が私には「死んどんねん」に聞こえた。

知り合って以来、この子はお父さんとしか買い物に来ない。
「そうなの、、、、。お母さん死んでたの、、、。」
「うん。」
「それで昼間は誰が僕の面倒を見ているの?」
「えっ?それわからんわ。」
「つまりお父さんが昼間働いている時よ。」
「お母さんやで。」
「だって死んでいるんでしょう?」
「生きているよ。家で寝ているよ。」
(この子の関西弁が真似できない)

???となっているところに、父親が「良かったな~、今日はおばちゃんがいて。」とやってきた。
「あの~、この子のお母さんは?」と聞くと「風邪を引いて家で寝とんのやな。」と息子の顔を見ながら言った。
関西弁で言われた意味が、やっと解った私は父親と笑いが止まらなく、息子も側でニコニコしながら幸せそうに私達を見ている。

関西に住む姉からも「早口の関西弁に慣れていない上、そそっかしさが加わって”しんどいねん””死んどんねん”に聞こえたのよ。」と大笑いされた。

   少し暖かくなり日中4度

 青森出身の奥さんに「理解できますか?」とメールをすると「鯵ヶ沢町は私の実家と近く理解出来ますが同じように話すことは出来ません。
通訳をしていたお兄さんも普段は同じように訛って話していると思います。テレビの普及で訛りの強い方言を話す人は減ってきています。」との返事。
各地の方言が消滅してしまうのはもったいない。
by arata-tamiko | 2014-12-15 21:00 | 諸々の出来事


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