惜しい方が逝ってしまった、、。
つい数日前に「最近姿を見ないけど、お元気かしら?」と小野田氏のことを思ったから、よけい無念の思い。
銃撃戦で小野田少尉の生存が判明し、どうしても姿を現さない息子の名を呼びながら80歳過ぎた父親がジャングルを捜し歩く姿は見る人の胸を痛め,日本国中が一緒に「小野田さん、出てきて!」と祈ったものだ。
かっての上官が下す
任務解除・帰国命令を直立不動で聞く小野田氏の映像は、タイムマシーンに乗って戦前の日本にいるような錯覚を起こすほどショックで釘付けになった。
それだけでなく、平和な日本では、見たこともない男の射るような眼光、険しい風貌に日本中が驚愕し、軍刀をフィリピン司令官に渡したとたんに柔和な顔立ちとなったのは、これが同じ人物かと、もっと驚かされた。
小野田氏の帰国後しばらくして手紙を出すと、差出人として医者である長兄のお名前で印刷された葉書が届いた。
膨大な郵便物を受け取っていただろうに、印刷文の最後にお兄様の自筆で一筆添えられていたのには「流石にあの御両親の息子さんだな。」と思わされた。
帰国後、良き伴侶とめぐり会え余生を仲良く幸せに暮らせたのは本当に良かった。
暖かい