姉から電話で突然に「あなたの言ったことは、まんざら間違っていなかったわ!今日の新聞に書かれているのよ。」と、興奮気味に言われても何を意味しているのかサッパリ判らない。
「私が何を言ったの?」
「覚えている?四十五年前に言ったことを。今それが
”ダン”で証明をされたのよ。」
「
”ダン”って何?」と訊くと「ダンを知らないの?ほら、奄美方面の人間とアイヌの話をしたでしょう。覚えている?」に、やっと何を言わんとしているのか理解できた。
姉が言うところの
”ダン”は
”DNA”のことだった。
結婚後、初めて訪れた主人の生まれ故郷の奄美。
山々にへばりついた曲がりくねった細い山道に反対側は目もくらむ断崖絶壁を主人は運転をする。
見たこともない風景と家の造り。
一時間半かかって、やっと主人の母が住む家にたどり着いた。
ゆっくりする間もなく、御近所の仏壇に挨拶回り。
庭に敷かれたゴザに座る村の人々は、長男に嫁いできた内地の私の歓迎会に大いに飲み食べ、三味線をならす人、踊る人とたいそうな賑わい。
彼等が話す言葉は一言も理解できず、通訳を主人に仰ぐ始末。まるで異国に来た感。
そして、私は、その席で
「結婚した女性が刺青をした昔の風習とか風貌からも、人類学的にアイヌと祖を同じくするのでは、、、。」と、言ってしまった。
姑から怒られた、怒られた。
主人からは「村の人は
”平家の落人”と思っているんだよ。それを、いくら歴史が好きとは言え、、、。」と厳しく注意をされてしまった。
この話を姉夫婦に「だって、写真で見るアイヌに容貌が似ている人がいるんですもの。人類学的に興味が湧いてこない?」と話したのを覚えていて、新聞を読むやいなや電話をくれた次第。
すぐに検索をすると
「アイヌ民族と沖縄人とのDNAが近いと東京大学や国立遺伝学研究所で証明をされた。」と各新聞に発表されていた。
(百何十年前にアイヌと生活をしたイギリス女性が、アイヌ男性の見事な体格、整った顔立ち、穏やかな性格に
”人類学的にみて、日本人とは異質の人種”と書いている。)
晴天
廣瀬さんの御両親が丹波笹山で丹精こめて育成した新米の”こしのひかり”。
ありがたく頂いた。