要領よく簡潔に手紙を書く難しさ   2/13/08

 ある管理会社に4月の空き情報を訊きに言った。新しい建物は得てして「プロモーション!何月までの契約なら家賃一ヶ月無料!」とかで客を惹き付けているが、世の中そんな上手い話はない。
 その一か月分無料の家賃額は必ず残りの11ヶ月分に割り当てられているはず。ここも同じくそうだったから思わずニヤリとしてしまった。

 冬場は、どうしてもアパートの動きがなく会社も年間家賃収入の予算計画を立てるために、こんな心理的に惑わされるようなプロモーションを考えるのだろう。日本でもあるのかしら?
人間知らなければ幸せなこともあるので、これはこれで「儲けた!」と信じていたほうが良い。

 ある御家族が上に住む住人から子供の泣き声がうるさい!と言われ続け、母親が精神的にまいっている。階下の住人から、子供の走る足音で文句が出ることはよくあるが上からの苦情は初めて。声は上に響いていくから、子供のいない人に取っては耐えられないのだろう。

 私が書いた手紙を管理人が階上に住む人に渡し、管理人も含めて三人で話し合いをするアイディアを提案した。管理人も快く承諾してくれたのには感謝。
 どんな解決策があるかどうかは確信は出来ないが、一応この家族の状況も相手に知ってもらいたい。

 心に怒りをもつ人に読んでもらえる手紙を日本語で書くことすら難しいのに、英文となると不可能。
こんな場合は、どうしても友人のGraceとなる。

 「この手紙を書く一番の目的は何か?」とGraceが訊く。
 「何とかして三人で集まりたい。そしてこちらの家族の状況も聴いてもらいたい。」と私。
 「それなら冒頭の文章が一番大事。自分を主張する「アイ(私)」と言う単語から始めたくな  
 い。」と彼女。
 「そして相手を責めてもいけないし、母親が精神的に参っていることも手紙では触れない。
 で、ないと相手は身構えてしまう。相手に対しても思い遣りを見せ三人の集まりも直接的な
 言葉を使うのではなく、湾曲にその方向に行けるような文章にしましょう。そして簡潔に!」
 と、アメリカに来た日からの長い付き合いだが彼女と話すたびに学ぶことが多い。 

 「Grace、私より先に死なないでよ。私の人生には貴女が必要だから。」とお願いすると、フン!と言った顔で見つめられた。

   風が身を切る 夜雪となる
by arata-tamiko | 2008-02-13 23:41 | 住まい


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