いかなごの釘煮   3/22/07

 姉へのお礼電話で「何で”イカナゴの釘煮”と言うの?」と聞いた。「ほら、覚えている?昔は木箱に使われていた釘一本でも引き抜いて、また使っていたでしょう?煮漬られたイカナゴの姿形が曲がっている釘に似ているからなのよ。」と教えてくれた。私はテッキリ黒豆を煮る際、何本かの古釘を入れるように、イカナゴも同様の料理法だから”釘煮”と名付けられたかと一人で決め込んでいた。姉は「もしそうだったら、意地の悪い私は沢山の釘を入れたまま送るわよ。」と笑う。大分出身の私はイカナゴに付いての知識は皆無。姉は魚屋からの講釈をまるで自分が持つ知識のように私に教える。「この魚は一日でサイズが違ってくるほど成長が早いの。少しでも大きくなると油がのって煮つけに適さないから収穫期間も、本当に短いのよ。今年は海も暖かかったせいか倍値となって100グラム1,800円だったわ。」と高値に嘆いていた。
姉の話で思い出したが、商品が木箱で送られてきた時など父と一緒に釘抜きをしたものだ。真っ直ぐした釘が抜けると、また使えるので父を助けている気がして嬉しかった。店番の合間に、こより作りをしている父の姿が、とても印象深い。未だホッチキスがない時代、書類は紙縒りで綴じられていた。細長く切った薄い紙を指先で器用にクルクルと父が巻いていくと丈夫な長細い紐状の紙縒りが出来上がる。それは、まるで手品をみるようで父を尊敬した。見よう見まねでよじっても、太い柔らかいものしか作れなかった。昔の人は実に賢く再利用を知っていた。
 私の車のライトを壊したキャサリーンから電話があり「保険会社が何とか解決してくれたから、来年度の保険は上がらなくなったことを知らせるわ。」と言う。私が小切手を入金したことに平気な口調。保険代理店のCathyは「そんな馬鹿な話は聴いたことことがない。」と呆れていた。何となく気分悪し。
 I先生一家の子供二人は完全な時差ぼけ。日中熟睡状態。沢山の食料品を買い込んだので暫くは大丈夫。Coolidge Cornerのマネジャーのピーターが、私を見て「大輔がお客で来店する。」と興奮気味に話す。レッドソックスの大ファンとのこと。私に「野球は好きか?」と聞くが、生まれてこの方、野球ゲームなどは見たこともないので好きか嫌いかも分らないと返事をした。
 ある人からの頼まれごとで、どうしても会って話をしたい韓国の女性がいた。彼女は以前Harvardの銀行に勤め日本人より綺麗な日本語を話す。頼んできた方には「時折Reliableに来ますから、その時話してみます。」とは言っておいたが、いつ来店するのか分らない。急ぎの用事なので、何とかして見つけれないか?と思案していた。I先生家族と一緒に行ったReliableで「新田さん!」と彼女から声をかけてきたのには驚いてしまった。
 7時過ぎ日本から戻った隆ちゃんを飛行場に迎えに行く。お願いした孫への日本のお菓子、Narutoのキャラクター文具そして韓国ドラマ朱蒙のDVDを持って来てくれた。Southboroughの学校まで送って帰宅したのは夜の10時。無性に豚汁が食べたくなり、料理をしているとスヨンが「明日の朝、食べていい?」と好物の匂いに嬉しそう。

   春が戻る
 
by arata-tamiko | 2007-03-23 23:15


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