アメリカのホームレスの稼ぎ  1/23/18

週末の時間がある時だけ、好きな時間に韓国人オーナーの東洋系食料品店に手伝いに行っている。
手伝いと言っても、お客様と話している方が多く、店主の女性も「あなたがいると店が明るくなる。」と喜んでくれるし、私も多種多様な人々を観察でき、好きな食料品を持って帰り人生がより面白くなる。

二日前の日曜日、スラリとした70過ぎの身ぎれいな年配男性が「一ドル札を大量に持っているのだが、20ドル札と替えてくれないか?」と店に入ってきた。
何枚か替えてあげ「ところで、どうしてそんなに沢山の一ドル紙幣を持っているの?」と訊いた。

「サイン一枚あれば稼げる仕事をしているからさ。」

「へぇ~、どんな仕事?」

男がゴソゴソ茶色の紙袋から取り出した茶色の厚紙には、町のあちこちで見かけるホームレスの手書きサインだった。

”お酒は断ちました。どうぞ私に恵んで下さい。神のご加護がありますように!”

「その格好で、あなたはホームレス!?」

「私の身なりを見れば、大きな会社の社長か何かに見えるだろう?」と私の唖然とする顔に笑った。

「ほら、見てごらん。道路に立って金を乞うときは、この袋の中のジャケットに着かえるんだよ。」と得意げに古びたジャケットを見せてくれる。

「ちょっと、前から知りたかったのだけど、一日でいくら稼ぐの?」

「フッフツフ、当ててごらん。」

「$25くらい?」

「$50だよ。それも良い日は一時間で。」

「冗談でしょう。」

「数週間道に立っていれば、後の一、二か月くらいは遊んで暮らせるよ。」

「それで、どこに住んでいるの? どこに立って稼いでいるの?」

「稼ぐ場所は教えられないが、自分はカナダに広い土地を持っていても冬は雪で何も出来ないから、こっちにきて稼ぐのさ。フッフッフ。」と笑う。

「それでは、人の善意を食い物にしていることね。年金もあるんでしょう。」

「まぁー、そうなるかな。みな優しいよ。金があるからくれるんだろう。奪っているんではないからな。」と全く恥の欠片もない。

20ドル札に替えて上げたのだから、写真を撮らせろと何度か粘ったが「写真を撮られ、ニュースにでもなったら明日から稼げない。」と遂に叶わなかった。

日本の宗教と違って、キリスト教は信者でもない他人に対する慈悲の心があるから施すのだろう。

人は見かけが良いと、何事においても得をするが、彼なんぞは、その良い例だろう。
古いジャケットを着ていても、あの容姿なら「かっては良い生活をしていたが、今は何かの事情で。」と同情を惹くのではないだろうかと想像してしまう。

週末働く大学生のユンに「もうこの店を止めて、あなたもサインとコーヒーカップを手にして外に立っていなさい!」というと、「僕には自尊心がある。」と真面目に答える。

産経WESTでの「ボストンから一言」、第四回目のコラム掲載日は1月31日(水曜)です。
韓国の友人Hさんが、女学校の寮で経験をした北朝鮮の巧妙な策略です。

   前が見えないほどの大雨
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   出産まじかのアシスタントの先生に「聴診器で赤ちゃんの心音を聞いたことが
   ある?」と訊くと「ない。」と言うので「聞いてみて。」というと笑いなが
   らお腹にあてた。そして私にも聞けと言うので心音を二人で聞いて、幸せな
   気分になった
by arata-tamiko | 2018-01-24 10:49 | 興味ある話


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