旅日記   11/22/05

  昨日は義兄が伊丹まで迎えに来てくれお昼の3時ごろ姉宅に着く。姉はオバちゃんの娘さんが作ったチョンガーキムチとメルチに大喜び。お土産話に姉は「私も行けば良かった~。」と残念がってはいたが、オバちゃんと再会できた事を我が事のように喜んでいた。次の機会には必ず自分も一緒に行くと言う。
 宝塚最期の日なので夕食は美味しいカツ料理屋さんで・・・と言う義兄の提案で姉と私は電車で川西能勢まで出かけた。お昼は何を食べたい?と聞く姉に「さつま揚げ。」と言うと「あの、さつま揚げ?」に「そうよ。」と返事をする。実演販売をしている有名店のものを何個か買って地下道の椅子に座って姉と食べていると、角地に「イカ焼き」とビラが貼られているのが見えた。
姉も同じものを見ていて「あれ、美味しそうね。」「うん。」「買ってみる?」でイカ焼きも食べる。
「若いのに愛想がいいわね。」に「きっと主人の息子よ。」と私が推測する。「でもあんな店で食べていけるのかしら?」「そうね、場所が余り良くないわね。息子、止めなきゃ良いけど。イカ焼きと焼きそばを売って一日なんぼのものになる?」と勝手な事を言い合いながら薩摩揚げとイカ焼きを終わらせた。その店の前を通ると、店舗は横に細長くメニューも他にかなりあり客も結構入っていた。イカ焼きの場所と食堂が壁で半分以上仕切られているので私達には見えなかっただけだ。「良かったね。あの息子止めないと思うよ。」と二人でまた勝手に納得して宝塚で義兄が待つ場所に向かう。
 カツ料理屋は、いろいろな種類の小さな串カツが次から次へと揚げられてお皿にのせられる。お店も落ち着いた雰囲気で上品な味、とても美味しかった。一人前、2,800円。
 この夜は朝の5時まで韓国ドラマのDVDを見る。
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                      私の大好きな地下食料品売り場

   11/23/05

 朝の9時半に姉夫婦と一緒にタクシーで川西に向かう。ポートランドで今回買った靴をチョット履いてみたら、ドンピシャリだったと姉が言うので出発前に上げると、姉はしきりに「悪いわね~。」と言いながらも、とても嬉しそう。
 11時半の新幹線に乗れそうなので急いで今夜泊まらせて頂く山村さん宅に電話をして到着時間を知らせる。好物の幕の内弁当を買って乗車。出発前7分だったので姉夫婦と別れを惜しむ間もなく反って良かった。
 名古屋駅では奥さんだけでなく、お忙しいご主人も迎えに来られているのには驚きと共に多いに恐縮。自宅に向かう途中、蕨餅で有名な店に寄る。

 この歳になると「人間は出会うべき人とは時と場所に関わらず、いづれは何らかの形で出会う。」と思うようになった。山村さんのご主人は名古屋の癌センターで外科医として人望の厚い方で知られている。
 十年近く前、癌センターに入院する長兄をボストンから見舞いに行った。兄は担当のお医者様の事を「本当に立派なお医者さんなんだよ。僕はこんな人に診られて死んだら本望だよ。」と話してくれた。私達の目から見ても兄は長くないと言う事は明らかだった。その時、山村先生が回診に来られ、私達姉妹は兄に紹介されご挨拶が出来た。先生は「ご一緒のところを撮りましょうか?」とご自分から申し出て、私達は写真に収まった。兄は「ね、だろう?本当に優しい先生なんだよ。」と嬉しそうに言った顔が思い出される。
この時は、まさか10年後に不思議な縁で、しかもボストンで再会するとは想像だにしなかった。
 慶応からの伯野先生ご夫妻をお迎えしたのは2003年の7月のこと。生活立ち上げのお世話をしながら何気なく奥さんに「貴方も医学関係なのですか?」と聞くと「いいえ、でも父はそうです。」と言われるので「どちらの?」と聞いてしまった。(この後からはチカちゃんと彼女を称す)
「名古屋の癌センターです。」と言う返事。「その病院ってチョット高台にないですか?」と聞くと「えぇ。でもどうしてご存知なのですか?」と不思議がる彼女に「兄が確かその病院に入院していました。」に「何の癌でしたか?」と聞かれる。胃癌だったと答えると「それは私の父が診ていると思います。父は消化器専門ですから。」と言うのに、半信半疑で「お父様のお名前は?」と聞いた。早速日本の義姉に電話をして聞くと「山村先生よ。でも今になってどうしたの?」と訝る義姉に、事の次第を話すと「それはパパが多美ちゃんに自分に代わってお礼をしてほしいのよ。もうすぐ七回忌があるの。お願いよ。」と電話の向うで狂喜する様子が手に取るように伝わる。
 その後、チカちゃんのお母様がボストンに来られてお付き合いが始ったが、初めて会った時からお互いにもう何十年知り合っているような感覚になるほど気が合った。そして去年の夏、山村先生とボストンで再会した。

 その夜は風情のある実に立派な日本家屋の松風閣で日本料理をご馳走になった。
下足番が何人か玄関にいるのは驚きだった。待合室も何か時代劇に出てきそうな雰囲気があり天井から廊下からと見渡してしまった。百年近く経った屋敷ならではの庭園。
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                       待合室での山村先生ご夫妻
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                   これほど長い廊下は見たことがない!
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                        余りにも芸術品!
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                        韓国で買ったコートを着る
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                   広い座敷で、1人になるのは怖いほど

 ここは、いくつかの部屋の結婚式場があるそうで、座敷係りの方が「ご覧になりませんか?」と勧めてくださる。チカちゃんのお母様に「私達にも将来もしかしたらチャンスがあるやもしれないから、そのためにも見ておいたほうが良いかもよ?」と言うと「そうね。」と笑いながら彼女も同意。無口な先生は笑顔を見せながら黙って一緒に来る。
でも後で考えてみると、もしかしたら案内した女性は「あのお客さん達の子供さんが結婚式で利用してくれるかも・・・。」と見せたかったのかもしれない。それを私が冗談でも「私達にもチャンス・・・。」等と寝ぼけた事を言ったから、心中あきれ返っていたかも・・・・。
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                            結婚式場
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                        見事な天井絵と欄間

 チカちゃんのお母さんと一緒に私が持参した韓国ドラマを見ているとネコのグレちゃんが異様に鳴いてうるさい事、うるさい事。先生も深夜の3時ごろ目覚めて2階から下りてくる。
3時過ぎに寝床に就いてウトウトとしていると何かがいる気配にソーッと目を開けると、グレちゃんが私をジーッと上から見下ろしているのにはギョ!とした。私と目が合うとグレちゃんは去っていった。いったい何だったのだろう?
by arata-tamiko | 2005-12-17 12:35


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