モネーの代表作「「ラ・ジャポネーズ」騒動 7/8/15

この馬鹿げた不愉快なニュースを、車中のラジオで聞いた瞬間、プロテスターたちは中国系か韓国系に違いないと思った。
ボストン美術館が所有する、モネーが妻のカミーユに日本の打ちかけを着せて画いた「ラ・ジャポネーズ」の展示と共に、日本で作った同じ着物のレプリカを来場者が着て一体感を味わってもらう趣旨のイベントを催した。

ところが、プロテスター達によると、Kimonoは、「アジア人に対する人種差別主義」、ステレオタイプが抱く「異国情緒」そして「帝国主義」に繋がるのだそうだ。
どこをどうしたら、こんな屁理屈が生まれるのだろう。
私達日本人は、誇らしく思っているのに、あたかもアジア人を代表するような言動。許し難い。
プロテスターが日本人なら「そうか、そんな考えの日本人も出てきたか、、、。」と思うかもしれないが、先導している女性の苗字からして中国人。

近所のMFA(ボストン美術館)に働く御主人に、彼らは何ものかと訊きに行った。
彼は美術鑑定や美術品に使用されている材料の分析が専門なので、現時点で詳細は分からないが情報を手に入れて教えてくれると言う。
このような美術品展示のイベントに政治を持ち込んではいけないと、彼らの愚かさを嘆いていた。

チビを連れて行く公園で、いつも一緒に歩きながら話しているD宅にも行き、意見を聞いた。
彼は前々から、ボストンのジャパン ソサエティーの会員で日本通。
彼も開口一番「これほど馬鹿げた愚かな人たちのニュースは聞いたことがない。」と笑い出した。
葛飾北斎の大々的な特別展が催され、すぐ後にモネーの作品と続いて日本を取り上げたのが、彼らは許せず怒りの原因ではないのか?と大笑い。
隣人から、情報を手に入れたら是非僕にも教えてくれと頼まれた。

アメリカの友人である、Graceほど知識と教養に溢れた人はいないのに、彼女が「このニュースを聞いて、多方面においての日本人の思考を考えた。」と話すのを遮って「ちょっと待って。彼らは日本人ではないのよ!」と説明をすると、驚いていた。
日本では、新聞記事やテレビニュースでも国籍や年齢まで紹介されているが、この国では、人種は一切知らさないため、私が危惧するのは、アメリカ人に取っては、プロテスターが中国系であるとは見分けがつかないと思う。

一番残念なことは”人種差別”などと、こじつけたスローガンにボストン美術館が屈したことだ。
ボストン美術館始まって以来の前代未聞の出来事。

   まるでサウナにいる蒸し暑さ

(写真はBoston Globeより)
モネーの代表作「「ラ・ジャポネーズ」騒動 7/8/15_d0024276_14591839.jpg

                       ポーズを取る美術館の館員
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       このKIMONOと画かれた字からして、中国系と一目瞭然。
       この赤色書体は、アメリカにおける中国レストラン全ての看板に使われている。
       折角楽しみにして入館した人たちは、どんなに気まずい思いをしただろう。
       追い出すことは出来なかったのだろうか?
       しかし、根性の悪そうな顔をした女性だ。
by arata-tamiko | 2015-07-09 15:08 | 不快な出来事


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