女性セブンの記事に疑問あり   4/15/15

女性セブンに掲載された「加藤登紀子が語る半生」の中で、母親について「誰とでも真摯に向き合う女性だった。」と、彼女の気丈さを、誇らしげに述べている。
その例の一つとして「ソ連軍が怖くて日本人が逃げる中、母は一人ソ連軍の司令部に乗り込んでいきました。そして『こんな乱暴を働いているのはおかしい』と訴えたそうです。司令部は母の進言を受け入れて略奪行為を取り締まりました。母は、どんなときでもきちんと相手と向き合う強さを教えてくれました」とある。

2歳で終戦を迎えた加藤登紀子は、この話を母親から聞かされたはずだが、正直私には信じ難い。
スターリンが日ソ不可侵条約を一方的に破棄し、怒涛のごとく押し寄せたソ連兵の多くは獄に繋がれていた殺人などの凶悪犯だった。
電気のない環境で生まれ育った兵達は、日本の民家で初めて見る煌々と光る電灯に驚き、略奪した腕時計をいくつも腕にするような人種。
民間人の女子供を手当たり次第に家族の目の前で強姦し、抵抗すれば犬コロのように射殺され、庇う男達をも殺戮する。
百万のソ連兵の強姦から逃げるため、老いも若きも短髪にし顔に泥を塗り、人間が人の心を失い生きるためエゴ剥きだしとなりわが子にすら手をかけ、極寒の満州で飢えと恐怖に怯えるこの世の地獄ともいえる阿鼻叫喚での逃亡の日々。

ある病院での目撃者の男性は「12、3歳の少女から20歳くらいの十名ほどの女性がタンカで運ばれてきた。全員が裸で、子供の恥部は紫色に腫れ上がり、その原型はなく、一人の女性は下腹部を刺され腸がはみ出していた。」と証言をしている。

これからが、私が疑問とするところ。

女とみれば、何人もの兵隊に犯されたあげく殺されることが分っていながら司令部に一人行くだろうか?

もし行ったとしても、母である自分が死ねば残された三人の幼子は、どうなるかと露ほども思わなかったのだろうか?

彼女の母親が、ソ連の指令官を説得するだけのロシア語が話せたとは、到底思えない。
敗者である日本人、それも女性が勝者であるソ連の司令官に「貴方達のすることは間違っている。」と注意をして「はい、はい。悪うございました。」と、鬼畜のソ連兵達が素直に心を入れ替えるなんて、天地がひっくり返ってもあり得ない。
子供を叱るのとは、訳が違うのだから。

この週刊誌の女性記者は満州開拓団に関しては、全く知識がないのでは?
せめて、著名な女流作家二人の満州引き上げの実話を読んでからインタビューをして欲しかった。

             流れる星は生きている (中公文庫): 藤原 てい

             朱夏            (新潮文庫) 宮尾 登美子

      突然春が来て水仙が咲き始める
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    階下の住人の娘家族が飼っている犬と、我が家のチビはまるで兄弟のように似ている
    スラリとした後ろのが彼らの犬。手前の胴が長くウェスト太く足の短いのがチビ。
    スタイルまで飼い主の私に似てくるとは、あな恐ろしや。    
by arata-tamiko | 2015-04-16 10:21 | 納得いかないこと


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