スヨンとの再会と犬の記憶力   8/18/14

シカゴに移ったスヨンが、韓国に住む甥を連れて先週二日間我が家に滞在した。
彼女との再会は5年ぶり。

幼馴染に誘われ10年前にアメリカ来たスヨンは、その友人宅に寄宿しながらReliableに働いていたが友人といさかいをした日に追い出されてしまった。
行き所のないスヨンを我が家に泊まらせたことから始まり、結局4年半一緒に住むことになった。

入り口ドアから二階に向かって「チビ!」とスヨンが呼ぶと、犬なのに階段を降りることが出来ないチビは最大の親愛の声で、早く上がって来てと言わんばかりに「くぅ~ん、くぅ~ん」と階下のスヨンに向かって鳴き続ける。

15歳の甥は典型的な朝鮮民族の立派な体格で既に180センチ近くの身長。
礼儀正しくスヨンの両親、つまり自分のお祖父さんとお祖母さんに毎日電話をし、週に一度は家に出向いて夕食をするのだそう。
義理の姉には感謝をしているとスヨンが言う。
彼女も我が家に住んでいる間、一日も欠かさず毎夜両親に電話をしていた。

歴史の先生だったスヨンは愛国心の固まりだが、今回私が「貴女の国はどうなっているの?あの反日は常軌を逸しているわよ。」と言うと「感情論では何も解決しない。」と同意見だったから、スヨンのような偏狭な愛国者でも今の韓国が正常でないことは判っているようだ。

国に帰りたくとも、40代半ばともなると就職は厳しいそうで「先生の経験があるのだから、公文の訪問家庭教師をしたら?」と助言すると「月謝を払ってくれない親がいると、私が立て替えないといけないので損をする。」のだそう。
笑ってしまう。

楽しい時は時間の経つのは早く、別れが迫るとスヨンは「絶対に韓国に来てよ。美味しいものを一杯ご馳走するから。あそこにも、ここにも一緒に行こう。」と、何度も頭を下げお礼を言いながらシクシク泣く。
「必ず太田で会いましょうね。ところで竹島は日本のもの?韓国のもの?」と聞くと、ためらいなく「私達のもの!」。
「では日本海?それとも東海?」と聞くと「もちろん東海!」と泣き笑いになる。

   最高の天気 朝晩肌寒くなる
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    チビに月日の感覚はないだろうが、擦り寄るチビにスヨンはスーツケースを置く間もなく
    「お前が人間で、サムスンに働いていたら社長になれただろうに。」と、チビを撫でながら
    頭の良さを褒めていた。
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  スヨンの後に3年半住んだソンヒーですらとも決して一緒に寝なかったチビが、昔のように
  スヨンの側で寝るのには「これほど犬には記憶と感情があるものか。」と二人して驚かされた。
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    お習字の先生をしていた80歳を過ぎたスヨンの父親が私のために揮毫してくれた扇。
    残った片方の目も殆ど視力を失ってしまったそうで「思うように書けなかった。」と恥じた
    そうだが、見事な達筆。
    ”長楽無極”とは「楽しいことが永久に続く」の意味と辞書に説明がされていた。
    父親が個展を開くと言い出す度に、毎度家族は大変な思いをさせられたそう。
     ”日帝時代の遺物”として戦後漢字を廃止したため、自分の苗字も漢字で書けない
    人が多い国柄父親の作品を見に来る人もいない。
    母親、兄達、嫁達で友人、知人に弁当代をあげて来て貰ったと、スヨンの話はいつも
    笑い話となってしまう。  
by arata-tamiko | 2014-08-19 06:49 | 諸々の出来事


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