自動車事故の後始末   6/25/14

Mさんは電話をかけてくると開口一番必ず「今いいでしょうか?」か「今お忙しいですか?」なのに、その日はすがるような声。
「大通りを走っていたら横道に止まっていた車が突然飛び出してきて、、、。」と説明を始めた。
「そんなことは後で聞くから、今の状況はどうなっているの?」
英語が得意でない彼女がしどろもどろで警察の質問に答える声が聞こえる。

事故は我が家から5分ほどのところ。
警察官に電話を代わってもらい、今から現場に向かうことを話し、顔も洗っていないボサボサ頭で飛び出した。
三台の警察の車が止まっており片側通行の交通整理で狭くもない道路だが車が数珠繋ぎの大混雑。
事故を起こした60代の女性は事故現場から数分のところに住んでいる同じ町の住人だった。
人は恐怖と動揺に襲われると、これほど顔がピクピクと引きつるものだと始めて知った。
泣いていたそうで目が真っ赤。
Mさんにしきりに謝ったり抱きしめたりしていた。

警察が指示した町の修理工場にレッカー車で運ばれた車をCambridge Auto Centerに電話をして、そちらの修理工場にレッカーしてもらう手配をした後、一旦Mさんを家に連れて帰り保険会社へ日本語通訳を通して報告をするように言う。
Cambridge Auto Centerに電話をしてレンターカーを用意してもらい、Mさんを連れて行き車を借りたMさんは運転して帰宅。

ご主人は研究所の皆から「こんな酷い事故なんだから帰ったほうが良いよ。どうして帰ってあげないのか?」と言われたそうだが「僕が帰っても英語でやり取りが出来るわけでもないし、どうして良いかも判らないのだから帰ってもしかたがない。」と、子供の無事を確かめたご主人は、私を全面的に信頼していたそうだ。

これは実に賢明な考えだ。
事故の際、どう順序だてて事を進めるのかが判っていない人が側で「やいの、やいの。」と言ったり質問をされるとかえって邪魔になる。
全て私に任せてくれたほうがスムーズに済む。
そして駆けつけてこない主人に立腹することもなく「本当にそうですよね。帰ってきても何も出来ないんですから。」と当たり前のように笑う奥さん。
肝が据わっていて最近の日本の女性に珍しい。
夫婦とは似たもの同士が一緒になるとは、よくぞ言ったもの。

両車とも廃車になるのではと思ったが、Mさんの車はマイル数が少なく綺麗なので保険会社からの査定者は市場価格を高く見積もり、修理費はそれより安いと計算して修理することになった。
廃車になった場合、保険会社は市場価格値で支払ってくれても、他の車を購入した場合には6.25%の州税は自費で払うようになるので結構損をしてしまう。
もちろん横道から出てきた相手に全面的な非があるので、Mさんは一銭も支払う義務は生じない。
裕福な家庭だろうが、これから何年に渡って彼女の保険は大変な額となってしまう。

修理に三週間以上は、かかるそうだ。

   蒸し暑い
自動車事故の後始末   6/25/14_d0024276_11201298.jpg

   トヨタSiennaの車中のカーシートに座る5歳と2歳の二人が大丈夫だったのは一番の幸運
自動車事故の後始末   6/25/14_d0024276_11254141.jpg

                   高級車レキサスの見るも無残な姿
by arata-tamiko | 2014-06-26 11:45 | 車と保険に関したこと


<< 体に精神年齢がついて行っていな... 駒田健吾の幼稚さ軽薄さ   6... >>