独身女性のお客様と仲良くなるのはもちろんだが、若い男性とも息子のように付き合ってしまう。
去年秋の方は、式を挙げた数日後に単身で来られ、京都の立派な和菓子をお土産に下さった。
見た目だけでなく、上品な味に「奥様が選ばれたの?」と、聞くと、「いいえ、ここの和菓子は僕が好きなものですから。」とのこと。
彼の苗字が
”小倉”だったので、それから彼は
”小倉餡子”と名づけられ、自分でもメールに小倉餡子と書いてくるようになった。
一昨日、一時帰国をする前に「なにか欲しいものは?でなければ、例の餡子にします。」と、メールを頂いた。
帰国が迫った歯科医のMさんとは、一年と短いお付き合いだったが、「お別れに昼食を。」と、誘われた。
「恥かしいほど少ないのですが、僕の気持ちです。」と、30歳前の若い彼から
”御礼”と書かれた封筒を頂いたのには、驚きよりも感動だった。
よほどお母様が義理堅い方なのだろう。
特に今月は、仲良くしていた方々が次々と帰国をされる。
明日は、パソコンで大変お世話になったKさんと昼食。
「パソコン関係の後任が未だ見つかっていないので、帰国を延期できない?」と、訊くと「それは無理です。」と、真面目な彼が笑顔で言う。
私のカレーを愛してくれた若者達に昨夜せっせと作って、今日最後の配達する。
この歳になると、再び会うこともないだろうから、
「さようなら」は、本当の
「さようなら」の意味をしてしまう。
まぶしいほどの晴天
数日続いた雪が、昨夜やっと止んだ後の夕焼け
春の雪は溶けやすい