代々家に伝わる簪三本   9/20/11

  15,6年前、NH州に高校留学をしていた男性徒の実家は何百年続いた長野の旧家。
私の骨董好きを知ったお父様が、そのころ古い簪を三本下さった。
一本は珊瑚の玉、一本は細かい銀細工、もう一本は華麗な金蒔絵。
妹の小依ちゃんもCambridgeにある英語学校に行くのに私の友人Gにお願いしてホーストファミリーになってもらった。
十数年経った今でも二人はクリスマスカードで近況を知らせあっている。

 この簪を手にして眺める度に「先祖の誰の髪を飾ったのだろう?」と思ったりしていたが、歳と共に返したい思いがつのってきた。
郵便で送るのも万が一の紛失が恐く今まで手元に置いていたが、小依ちゃんがNYに仕事で来ることになり、ボストンにも立ち寄るとの知らせをGから受けた。

d0024276_2042111.jpg

  お父様が下さったままの状態で、三本の簪が入った柔らかいなめしの皮袋を小依ちゃんに
  「これは元あった場所に帰るべきものなの。」と手渡した。
  小依ちゃんは不思議そうに「何でしょうか?」と簪を包んでいる古い紙を開きながら聞く。
  中から出てきたものを見た彼女は「これ、昔家で見たことがあります。でもどうしてここに?」と
  絶句。
  説明をする私に「父が一旦あげたものを受け取れません。」と返そうとする小依ちゃんに「これ
  はね、貴女の家にあるべきものなのよ。いつか結婚をするときに髪に飾って写真を私達に
  送ってね。」
と手に握らせた。
  小依ちゃんは目に一杯の涙を浮かべ「はい。」と返事をし、やりとりを見ていたGは「なんて
  感動的な話なの!」と震えた涙声。
  側にいるGの昔の恋人も「歳をとると涙もろくなってね、、、。」と一緒に涙をぬぐっていた。
d0024276_2121033.jpg

     49年前にGと恋人が船上で夜を徹して踊りまくったエラ・フィットゼラルドの歌が流れる
     G宅のダイニングルームで私達は一緒に朝食をした。
d0024276_2172986.jpg

      高校生だった小依ちゃんのお兄さんも30代半ば。
      ファッションを手がける彼が余り布を使って作った熊さんを私へと、持たせていた。
by arata-tamiko | 2011-09-20 21:15 | 諸々の出来事 | Comments(0)


<< 田舎の変貌   9/21/11 恋人と49年ぶりの再開   9... >>