この一ヶ月、背中の上部にかけて疼く痛みと胸の圧迫感の痛みで何をする気も起こらなかった。
その上に服用している錠剤のケモ治療の副作用で、力をいれる指の箇所が赤く薄皮が剥けてくる。何をするにも、まずは手袋をはめドアのノブを回したり瓶の蓋をねじって開けるにも一苦労だから時間がかかる。 床に落ちた紙一枚を指先で拾い上げることにすら難儀する。 副作用が強ければ強いほど薬に体が反応しているとは言え、こうなると人間勢いがなくなり、グータラ生活となってしまうので、ブログを書く気力が出てこない。 その上に、脇腹一帯に帯状疱疹まで患ってしまい踏んだり蹴ったり。 病院の処方箋でもらったOxycodoneの残りがあり、これだと痛みに強い効き目がある。 薬局で受け取る際には、本人である証明に運転免許書を提示しないといけないほどの厳しさ。この薬は眠気を催すだけでなく、中毒症状になっては大変と自分で勝手に止め、市販の痛み止めで我慢をしていた。 そして遂に昨夜寝入る前に一錠飲むと殆ど朝まで熟睡でき、今日一日痛みに苦しむこともなく爽快に過ごせた。 十数年前にお世話をしたお客様から二年近く前だったか「今回は単身で留学をします!」とメールを戴いた。 医学関係のお客様が多いのだが、この方はある有名な音楽学園大学の教授。 「新田さんに絶対にお世話になりたいので、それまでどうか体調に気を付けて下さい。」と書かれていて大笑いをした。 「それでは私、死ねませんね。何としてでも生きていましょう。」と返事をしたが、その方も間もなく到着。 今週の16日にCTスキャンがあり、その結果で今後の治療方針が決まる。 吹く風の冷たさに、冬の気配を感じる
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by arata-tamiko
| 2020-10-13 14:38
| 私の癌治療
先月27日のCT検査の結果。
癌の殆んどは、前と同じサイズだが、肺にある癌のいくつかは大きくなっているとのこと。 先生は「毎日二錠の服用で副作用が酷く二週間服用を休んだ後、すぐに放射線治療のため再度服用を二週間以上、合計一ヶ月以上休んだせいではなかろうか。」との所見だった。 このままこのJohnson & Johnsonからの薬を続け六週間後に再度CTを撮り結果を見て、もし余り効果が無いようなら、次はもっと新しい別の薬を試してみようとの提案で、それは点滴だそう。 アメリカでの薬名は”Padcev"。 先生に「新しい薬が出る度に、こんな難しい名前を覚えなければならない先生も大変ですね。」と言うと、笑っていた。 「万が一、この新薬で期待するほどの効き目が出ない場合は、数か月後にもっと新しい薬のClinical Trial(治験)を予定しているので、そのグループに入りますか?」と聞かれたので「もちろん!」と即答。 アメリカそれも世界的に名だたる病院で知られるボストンに住んでからこそ、今まで永らえてきたが、不謹慎ながら最近いろいろと思ってしまう。 子供の頃からだれよりも活動的で、家にじーっとしていることが出来ず何か動いていないと落ち着かなかった私に、母が「女の子らしくない。尼寺に入れて修行させなければ。」と嘆くほどの性格が大人になっても変わらなかったのが、今は以前のように外出する力も覇気もなく、ただ毎日を無意味に家で過ごすのみ。 食欲がない私に「だれよりも食べることが好きだったのにね。辛いでしょう。」皆が言う。 2011年に腎臓癌で一つの腎臓を摘出し、五年後に肺に転移。ステージ4と言われ今に至っている。 始めから「完治はありません。」と告げられ、新薬を試し続け最高の治療を受けても、このような日々を送るのでは何のために生きているのだろうか?と考えてしまうことがある。 姉に「私、鬱になったのかもね。」と嘆いたあと、日本の何人かの政治家の体たらくを散々けなしていると、姉から「ちょっと待ってよ。それだけ怒り狂う勢いがあれば、鬱でもないし未だ死なないわね。」とゲラゲラ笑われた。 Labor Dayの今日は正に”天高く馬肥える秋”の一日 分るようになっているので安心してトイレにも行ける。 医師や看護婦たちも全て着けている。
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by arata-tamiko
| 2020-09-07 23:59
| 私の癌治療
昨日は、とても忙しい一日だった。
何度も病院通いをしないで良いようにと、病院側が早朝の6時半から、五つの予約を組んでくれた。 このスケジュールだと午後2時には私の主治医のもとに全ての検査結果が届いていることになるので、一日で事が済む。 6:30 採血 8:00 体全体の骨検査のための注射 9:00 CT スキャン (癌腫瘍) 11:00 骨のスキャン 2:00 主治医との話し合い 私の太い血管を探すのに、前の病院でもそうだったが毎度看護師が苦労している。このDana-Farberでは、二度採血に失敗すると、別の看護師に変わるようになっている。既に二回そのようなことがあったので、一回で難なく成功した二人の看護師の名前を聞いてリクエストしておいた。なので受付で私の名前を言えば、二人のどちらかが採血をしてくれるようになっているので、もう痛い思いをすることがない。 いまだに患者数を制限しているので、待合室も患者が少ない。それなのに冷房は変わらず強く厚手の上着を持参していって正解だった。中には病院のブランケットをもらって包まっている人もいた。日本人医学関係者たちが研究をする建物も冷房が効きすぎて寒いと言う声を度々聞く。全くエネルギーの無駄遣いだと思う。 骨のスキャンから最後の予約時間までには長い待ち時間があったが、流動食以外は喉に送り込むことが出来ず、また味覚嗅覚を失った今では、食堂に行っても口にするものがない。どんなに甘い果物でも、口に入れると酸っぱくって吐き出す始末。ジュース類も実に奇妙な味がして飲めない。 一日中病院で過ごす体力があるかどうかの自信がなく、車中で仮眠をしようと枕も持参したが、椅子に横たわる痩せこけた私を見た人が死んでいると勘違いして報告されても困ると思い、11階のロビーでKindleで本を読みながら待っていた。 すると「Tamiko!」と呼ぶ声。 顔をあげると、看護師のジャッキー。「こないだあなたの姿を見て追いかけたけど、エレベーターのドアが閉まって声をかけれなかったのよ。」と喜んでくれる。 コロナ騒動が起きる前は、各階に無料のコーヒーや紅茶、それにクッキーなど置かれた場所があったが、今では全て取り払われている。「Tamikoは熱いココアが好きだったわね。待っていて。奥で作ってくるから。」と、手にして戻ってきた。 寒い思いをしていた私に取って、彼女の有難い思い遣りだった。 晴れ時々曇り 看護師も多数レイオフになり、現在は12人。実に気が利き仕事も早い。 CTと骨の検査があるため針とチューブを腕に刺したまま次の予約に行く 私のため、チューブに差しこむキャップの色分けをしてくれた。 CTのテクニシャンは、そのチューブを見て「実にプロの仕事をしている。」 と褒めた。まるで私が褒められたようで、とても嬉しく帰途Cheriの所に 寄ってテクニシャンの言葉をそのまま伝えた。
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by arata-tamiko
| 2020-08-29 09:14
3月5日にDana-FarberのDr. Guruの治験グループより離れて以来、初めて先生と直接顔を合わせて話をすることが出来たのは7月31日だった。
このコロナウィルスのため、どの病院も先生たちとのアポは総て電話かZoomのみ。 私は先生に切々と訴えた。 「先生、このように食べられなくなった人間には、生きていて何の楽しみがあるのでしょうか。まだ食欲があったころ、主治医に”今の量の三分の一、いえ四分の一でも良いから減らしなさい。ウォーキングが嫌なら、家の廊下でも良いから毎日歩きなさい。体重を落とせば血圧もコルステロール値も下がります。”と言われ続けていました。それで、どんなに美味しいものを食べても、必ず一口最後に残すことにしたのです。すればダイエットをしたと言う満足感に浸れたのです。それが今はとても悔しいのです。癌の末路がこんなになると知っていたならば、私はあの一口を平らげていました。いいえ、もっともっと美味しいものを食べていました。食べ物の夢ばかり見るのです。」。 先生も気の毒がって、食欲増進の薬は一応あることはあるが、副作用が大きいので勧めないと言う。 つまり私は癌患者である限り、もう一生食べ物の味を味わうことが出来ない。 空腹感を失った今は、これ以上体重を落としたくなく、パン一枚、納豆、野菜類、ハム、ジャコ、豆腐、生卵、焼き魚にプロテインのBoostで水気を与え流動食として一日三度無理強いに流し込んでいるが、それはまるでフォアグラのガチョウになったような気分。しかもある程度飲むとそれ以上は吐き気で無理。嗅覚は全くないのだが、胃が受け付けない。 そして今日は、中華を一年ぶり近くに持ち帰りをした。香辛料を一切使わず炒めてもらったのに、スムーディにして口元に持っていったとたん油の臭いで吐き気に襲われ駄目だった。 日中気温31度 #
by arata-tamiko
| 2020-08-06 11:54
| 私の癌治療
放射線治療が始まり一週間ほどすると、夜横になって眠れるようになった。昼夜お構いなく痛みに苦しんだのが嘘のよう。治療前に「85%の痛みは取れます。」とは説明をされ、また痛み止めの薬Oxycondoneを6時間ごとに服用していたが、この効果には驚くばかり。
放射線治療を受けている間は疲れるとは聞いていたが、まるで自分が”眠れる森の美女”のごとく、未だに一日中眠気に襲われる。 治療が終わり今日で19日経つが、左脚の痛みは前に比べ軽くなったとは言え、まだ痛みはあり健康人のようにはスタスタとは歩けない。 杖は必要ないが、こちらの人は子供連れの母親そして身体障碍者に優しいので敢えて杖を使って歩いている。すると皆が実に優しくしてくれるから。 困るのは、椅子に座った時、太ももの裏側に圧迫感があり長くは座っていられない。一ヶ月すれば治療効果が表れるとのことだから、あと10日の辛抱。 それでも日々の買い物などは自分で車を運転して行けるので文句は言えない。 抗がん剤も治療が終わった翌日から服用し始めた。 私の体が、この新薬に非常に反応するため爪の副作用を抑えようと言う事で、毎日2錠ではなく、二錠そして次は一錠と交互に服用することになった。 昨日から少し気温下がる #
by arata-tamiko
| 2020-08-03 21:05
| 私の癌治療
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